- 10年間で市場規模が2.2倍に拡大
- アジア太平洋地域で最も高い伸び
- 国内線市場の成長はやや鈍化
国際航空運送協会(IATA)によると、ベトナムの航空旅客市場は2014~2024年の10年間で力強い成長を遂げ、アジア太平洋地域における市場規模は2014年の第11位から2024年には第8位へと上昇した。ベトナムの航空旅客市場は同期間に2.2倍の規模に成長し、同地域の上位10か国・地域で最も高い伸びを記録した。
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IATAは成長の要因として、堅調な経済パフォーマンスと国内外からの観光需要の拡大を挙げている。ベトナムを訪れる上位10の国・地域のうち7つの国・地域で訪問者数が2倍以上に増加し、特にインドからの訪問者数は10倍、韓国からは5倍超に拡大した。
一方、国内線市場の成長はやや鈍化しており、同期間中の旅客数の増加率は+107%増で、国際線の+150%増を下回った。2024年の国内旅客数は、コロナ禍後の需要が急回復した2022年と比較しても▲24%の減少となった。これは、航空各社が供給能力の制約に直面していることに加え、成長著しい国際線市場へとシフトしている影響とみられる。
2024年におけるベトナムの航空輸送業界の売上高は前年比+30%の増加を記録し、このうち旅客輸送が全体の53~71%を占めた。
IATAは今後も航空移動の需要が拡大し、観光業の競争力がベトナムの航空業界の中長期的な成長を下支えすると予想している。