- チン首相がマレーシアを公式訪問
- 柔軟な対話メカニズム構築で一致
- 経済・国防・教育などでも協力強化
第46回東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に参加するため、マレーシアを公式訪問したファム・ミン・チン首相は25日、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相との会談に臨んだ。両首相はこの席で、2025~2030年の協力行動計画を効果的に実施し、ハイレベルの訪問・交流や代表団の往来を強化するとともに、柔軟な対話メカニズムを構築していくことで一致した。
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また、デジタル経済、循環経済、グリーン経済といった分野での協力を拡大し、バランスの取れた方向に誘導する形で両国間貿易額を2024年の142億USD(約2兆0200億円)から2030年までに200億USD(約2兆8400億円)に引き上げることを目指すとした。
マレーシアは対ベトナム投資の上位10か国に名を連ねており、累積投資認可額は130億USD(約1兆8500億円)超となっている。教育訓練、国防・安全保障、科学技術、エネルギー、観光、労働、人材交流などの分野でも協力が着実に進展している。
双方は、国防・安全保障分野での協力強化、国防産業での協力推進で一致。両国海軍・空軍・海上警察間の協力枠組みを構築し、テロや国境を越えた犯罪への連携を強化するほか、いかなる個人や組織にも自国領土を相手国への妨害活動拠点として利用させない方針を確認した。
さらに、海洋協力の強化や違法・無報告・無規制漁業(IUU漁業)対策のためのホットライン設置、欧州連合(EU)がIUU漁業規制警告でベトナムに出したイエローカードの解除に向けた支援でも一致した。
チン首相は、ベトナムがマレーシアへの安定的なコメ供給を約束するとともに、マレーシアに対して、ハラール産業の発展支援を要請した。
多国間協力では、ASEAN内での緊密な連携を継続し、南シナ海問題における共通立場を維持するとともに、1982年国連海洋法条約(UNCLOS)に即した、実質的かつ有効な行動規範(COC)交渉の推進で一致した。会談後には、両首相の立ち会いのもと、電力や教育の分野に関する協力文書3件が締結された。