スウェーデンを公式訪問したファム・ミン・チン首相は現地時間13日、同国のウルフ・クリステション首相と会談し、両国関係を科学技術・イノベーション分野における戦略的パートナーシップへと格上げすることで一致した。

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　チン首相は会談で、冷戦の圧力を受けたにもかかわらず、スウェーデンが1969年にベトナムと外交関係を樹立し、ベトナムの南北統一と戦後の復興を支援してきたことを銘肝していると述べた。

　両首相はまた、自国の経済・社会の発展状況について情報を共有した。クリステション首相は、経済・社会の発展と国際統合におけるベトナムの成果に祝辞を述べ、スウェーデンは常にベトナムとの関係を重視していることを強調した。

　双方は、イノベーション、先端技術、原子力エネルギー、半導体、グリーン転換、デジタル変革などの分野における協力を強化し、人材育成や教育連携をさらに推進していくことで一致した。

　両国は今後、首脳級や人的交流を含む各レベルの訪問・交流を促進することで一致した。チン首相は、良好な政治関係を踏まえ、国際情勢が急速かつ予測困難に変化する中で、両国が世界の課題に関する経験や見解を共有することを提案し、ベトナムの持続可能な発展方針に合致した分野でのスウェーデン企業の投資を呼びかけた。

　貿易・投資協力において両国は、ベトナム・欧州連合(EU)自由貿易協定(EVFTA)を効果的に活用することにより、相互の市場へのアクセス、またそれを介したEU市場と東南アジア諸国連合(ASEAN)市場へのアクセスを円滑にし、両国間の貿易額を30億USD(約4300億円)に引き上げることを目指す。

　チン首相はスウェーデン側に対し、他のEU諸国に対してベトナムEU投資保護協定(EVIPA)の批准を促すとともに、違法・無報告・無規制漁業(IUU漁業)規制に違反するとしてEUが2017年からベトナムに出している警告措置(イエローカード)の解除を呼びかけるよう要請した。

　このほか、チン首相はスウェーデン滞在中、戦争時代からベトナムを支援していた同国の故オロフ・パルメ首相の遺族を訪問し、その功績に感謝の意を表した。

　スウェーデンはこれまでに、ベトナムに対して30億USD(約4300億円)の無償援助を行ってきた。同国の支援による代表的なプロジェクトとして、中央小児病院、ベトナム・スウェーデン・ウオンビー病院、バイバン製紙工場などが挙げられる。