カントー市人民委員会はこのほど、麻酔科医のリー・タイン・ソン被告(41)に対し、向精神薬を不法売買したとして20年の懲役判決を言い渡した。同被告は、自身が開業した麻薬中毒リハビリセンターで、麻薬中毒患者に必要以上に強い向精神薬を売って不法に利益を得ていた。
ソン被告は、大学を出たばかりの医師や看護士ら数名を同センターで雇い、向精神薬を他の薬と混ぜたものを小袋に入れ、1袋2万5000~5万7000ドン(約180~420円)で売らせていた。また、麻薬中毒の「治療」と称して診療も行っていたが、多くの患者が同センターで治療をすればするほど、中毒症状が悪化して行ったという。
被害に遭った中毒患者の青年の母親は、「息子は、早く治して家族と一緒に幸せに暮らしたい、と(センターで)リハビリに励んでいたのに・・・」と涙ながらに被告への憤りを語った。