メコンデルタ地方の工場が前例のない労働者不足に悩ませられている。輸出向け製品の増産時期にさしかかっているにもかかわらず、より管理のゆるい仕事や自営業を好む労働者が増えているためだ。
縫製品・履物・水産加工の各工場では従業員募集を大々的に行なっているが、求職者は少なく人手不足が深刻化している。労働者らは、長時間労働・劣悪な労働環境・低賃金(月給110万~150万ドン<約5500~7500円>)を避ける傾向にある。
ロンアン省工業団地管理委員会のファン・タイン・フィー委員長は「企業側と労働者の関心が一致していない。メコンデルタの労働者はほとんどが農民で工場労働に不慣れだ。厳格な時間スケジュールに従うことができず、好きな時間に働くことを好む」と語った。別の幹部職員も「労働者らはれんが職人、大工、営業職などを好む。工場労働より時間管理が厳しくなく賃金も良いからだ」と頭を抱える。
ロンアン省だけでも現在4万人の労働者が不足している。今後さらに20カ所の工業団地が完成すれば、人手不足は20万人に達すると予測されている。