ホーチミン市ビンタン区ビンフンホアB地区に、「第2ティエンフオック寺」を名乗る孤児養育施設がある。オーナーは自称「尼僧」のグエン・ティ・バン。しかし仏教協会はこれを正式な寺と認めておらず、寺の名を利用した活動を直ちに止めるよう主張している。また、同市労働傷病兵社会局も実態調査を行った。10日付グオイラオドン紙電子版が報じた。
バンはこの「寺」で13人の孤児と共に暮らしている。取材中、ボランティア団体のグループが粉ミルクの缶を事務所に持ちこむ場面に出くわした。彼らは荷物を下ろすと、すぐに缶のふたを開け、商標などの表示をはぎ取った。メンバーの1人は「こうしないと転売される恐れがある」と語った。周辺住民の話によると、週末の夜になるとバンは業者を呼んで贈られた粉ミルクなどを売っているという。
バンはおよそ10年前に中部からホーチミン市に移住、孤児養育施設の「営業」を始めてからこれまでに少なくとも3棟の住宅を入手している。土地や住宅の入手に要した費用は、寄付金や贈与品の売却によって得たものとみられている。
ビンタン区労働傷病兵社会課によると、バンは孤児養育施設の許可申請をしたが条件に適していないとして許可が下りておらず、無許可で同施設を運営していた。今後同施設は解体される可能性があり、そうなった場合子供たちは市の養育施設に移されることになる。