南中部クアンガイ省の8つの郡とビンディン省の2つの郡にかけて、長さ約130キロメートルに及ぶ「クアンガイ・ビンディン長塁」が存在する。長塁は土塁が長く連なったもので、ベトナムの「万里の長城」と呼ばれている。東南アジア地域では他に類を見ないもので、2005年に国家遺跡に指定されている。28日付ダットベト紙電子版が報じた。
歴史資料によると、この長塁は17世紀のグエン朝時代に着工され、1819年にグエン朝ザーロン帝が長塁の堅固化を命じている。長塁の多くの区間は高さ4メートル、下部の幅6メートル、上部の幅2.5メートルの大きさで、石と土で作られている。また、全体で100か所以上の屯所が配置されていた。
考古学研究所の研究結果によると、長塁は防衛を目的とした軍事施設であると同時に、山岳地方と沿海地方を結ぶ交易路だったとされる。沿海地方から山岳地方へは塩、コメ、海産物などが、逆向きにはシナモンなどの林産物が運ばれた。各屯所では役人が交易税を徴収したほか、商人たちの通行の安全を守っていたという。