ベトナムの大学形態は国立と私立に大別されるほか、通学形態も昼間主コースと夜間主コースに分けられ、夜間主コースは主に中高卒者・専門学校卒者・短大卒者向けとなっている。昼間問わず共通の学位が取得できるため、企業などが採用する際は、平等に扱うことが定められているが、多くの人事担当者は私立大学及び夜間主コース卒業者の採用を敬遠する傾向が強まっている。19日付ザンチー紙(電子版)が報じた。
中部ダナン市及び紅河デルタ地方ナムディン省人民委員会はこのほど、国家公務員に私立大学及び夜間主コース卒業者を採用しない方針を明らかにした。この決定に対して現行の教育法や大学教育管理に関する規定に反すると指摘されていたが、国家公務員の能力向上を図るため必要な決定と、賛成する声も多い。
私立大学の入試合格基準点は低い水準に留まっており、夜間主コースの学生の多くは、昇進・昇給目的か、退職したときのために資格を身につけておきたいという高卒の公務員などが大半を占める。学生自身のレベルの低さや就学環境の悪さなどが、人事担当者から敬遠される大きな原因となっている。
なお、教育への投資促進を目的とした「教育社会化指針」が導入されたことで、全国の大学・短大は376校に増加。この内、私立大学は81校を数える。名前だけで能力の伴わない私立大学に対する無計画な投資は国費の浪費であるとして、こうした大学を削減し、より実践的な職業訓練校の開拓に尽力すべきだとの意見が強まっている。