北中部地方トゥアティエン・フエ省文化スポーツ局は、9月から男性公務員に対して毎月第1月曜日にアオザイを着用して勤務することを規定した。
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規定は伝統文化の維持を目的としており、7月に行われたセミナー「フエ−ベトナム・アオザイの首都」後に発起人である同局の一職員から他の職員に対して制服としてアオザイを作ろうと呼びかけ、実現に至った。
同局職員は、国旗掲揚と全体朝礼が行われる毎月第1月曜日に男女ともにアオザイを着用して出勤する。女性だけでなく、男性の公務員に対してもアオザイの着用を規定した政府機関は全国で同局が初めて。
アオザイの着用は職員の起案によるもので、職員らは自ら縫製代を出してデザインを検討したという。1着の縫製代は80万VND(約3700円)。
女性のアオザイは紫色の生地で、前身頃に蓮の花をあしらったデザイン。男性は青色の生地で、グータン(ngu than)と呼ばれる5つのパーツから成る伝統的な男性用アオザイとなっており、胸元には伝統を守るという意味合いがある「元風執事(nguyen phong chap su)」と書かれた札をさげる。アオザイを初めて着たという男性職員は、涼しくて動きやすく思いのほか便利だと語る。
また、フエ文化研究者によると、グータンはかつてグエン・フック・コアット(阮福濶)帝時代から受け継がれ、ミン・マン(明命)帝が国服に定めたという。また、同局に限らず同省の遺跡保存センターや博物館などの男性職員にもアオザイ着用を推奨するべきだという考えを示している。