北部紅河デルタ地方フンイエン省イエンミー郡チュンホア村(xa Trung Hoa, huyen Yen My)で10月30日に、娘3人が実家にガソリンを撒いて火をつけ、自身らと実母の4人が火傷を負った事件で、重度の火傷を負って治療を受けていた母親が入院先の病院で死亡した。
イメージ写真 |
死亡したのは、ブー・ティ・デウさん(61歳)。1か月余りの治療の甲斐もなく、12月14日未明に息を引き取った。デウさんの遺体は同日朝、ハノイ市内で火葬するため家族に引き渡された。これに先立ち、実家に火を放った娘3人のうち、長女のドー・ティ・ディン容疑者(40歳)と次女のドー・ティ・ディエム容疑者(34歳)が11月中に死亡。同省警察は11月4日、今回の放火を刑事事件として立件し、娘らを殺人容疑で捜査していた。
事件の発端は土地相続争いとされている。同村に住むデウさん夫婦には、娘3人と息子1人(36歳・長男)の計4人の子供がいた。デウさん夫婦は、村の幹線道路に面する土地と家屋、さらに路地裏の土地と家屋の2つの物件を所有しているが、夫は遺言を残さずに亡くなってしまった。デウさんは、幹線道路に面する家屋は自分と息子が使用・所有することとし、路地裏にある家屋を娘3人で分割する形で財産を分けたが、娘3人はこれを不服として幹線道路に面する土地の一部の所有権を求めていた。
事件当日、娘3人はガソリンの入った容器を用意し、実家を訪問。口論の最中に次女のディエム容疑者が居間にガソリンを撒いて火をつけた。これにより、デウさん、長女、次女の計3人が重度の火傷、三女のドー・ティ・ドゥア容疑者(32歳)も軽度の火傷を負い、救急搬送された。息子のD・V・Dさんも現場にいたが、怪我はなかった。
今回、母親のデウさんが死亡したため、この事件による死者は計3人となり、生き残っているのは三女のドゥア容疑者のみとなった。同容疑者は現在もハノイ市の国立火傷病院に入院している。