農業環境省傘下水文気象局は、2026年後半から2027年前半にかけてベトナムに影響を及ぼすエルニーニョ現象に関する2つのリスクシナリオを発表した。いずれのシナリオでも気温の上昇と降水量の減少が予測されており、深刻な干ばつや塩害、電力不足の懸念が高まっている。
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2つのリスクシナリオ
「高リスク」シナリオでは、中規模から大規模のエルニーニョ現象が2027年初めにかけて徐々に弱まると想定している。全国の平均気温は例年より+0.5~1度高くなり、降水量は▲10~20%減少すると予測されている。
一方、「非常に高いリスク」シナリオは、強いエルニーニョ現象が2027年半ばまで長引くケースだ。この場合、全国の平均気温は例年を+1~2度上回り、降水量は例年より▲20~40%少なくなり、南中部沿岸地方などの一部地域では▲50%以上の降水量不足に陥る可能性がある。
農業およびエネルギー分野への打撃
エルニーニョ現象の長期化は、農業生産とエネルギー供給の双方に連鎖的な悪影響を及ぼす。南部メコンデルタ地方では、メコン川上流からの水量が減少することで塩害が内陸部まで拡大し、2026年~2027年冬春作のコメ約35万ha(推定生産量約245万t)が被害を受ける恐れがある。
また、降水量の不足は水力発電用ダムの貯水量を著しく減少させる。特に気温上昇に伴い電力需要がピークに達する2027年5月から6月にかけて、電力需給が一段と逼迫することが懸念されている。
国立水文気象予報センター(NCHMF)によると、強いエルニーニョ現象が発生する年は南シナ海における台風の発生数が例年を下回る傾向にあるものの、予測が困難な局地的豪雨や鉄砲水などの異常気象が発生するリスクは依然として残る。
専門家らは、被害の規模はエルニーニョの強さだけでなく、持続期間や各地方の対応力に大きく左右されると指摘し、各省庁や地方自治体に対し、水資源の調整やエネルギー安全保障に向けた早期の対策の策定を呼びかけている。







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