保健省は、複数の大学で保健(医療)分野の受験科目に文学(国語)を含めているが、受験科目に含めることは各校の自由ではあるものの、その科学的根拠を明らかにするよう求めている。
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現在、ベトナムでは保健分野を教える大学が27校あり、うち4つの大学で「文学」を受験科目に含めている。
文学を受験科目に含めることには賛否両論ある。必要とする大学は、医師には伝達したり、共感したりする力が必要と主張する一方で、医師や医科系教員には、大学の学生選抜戦略に過ぎないとする声も大きい。
保健省科学技術訓練局のグエン・ホアン・ロン局長は、文学を受験科目に含めることについて、根拠や選抜方法が明らかでないことから、大学における育成の質に影響するのではないか、との懸念を示す。
大学教育法では各大学に学生の選抜業務が任されており、教育訓練省規則では各大学で選抜に用いる科目群を最大3科目として選ぶことができ、科目群には「数学」あるいは「文学」を含めればよいこととなっている。ただし各大学は、選抜の科学的根拠や実情、合格した学生の学習結果との評価、分析などを実施しなければならず、ロン氏は「保健省科学技術訓練局は、各大学による教育訓練省に対する説明の内容に非常に関心を持っている」と話す。
管理の役割分担としては、保健分野を含む大学教育を管理するのは教育訓練省であり、保健省は入学や卒業の場面は管理せず、カリキュラムの基準を示すのみだ。
ロン氏によると、保健分野は基本的には自然科学であり、論理的思考や迅速な分析力、正確な評価といった力が求められ、多くの大学が「数学・化学・生物学」「数学・化学・物理学」「数学・物理学・生物学」「数学・化学・英語」といった科目群で選抜を行っている。こういった実情もあり、保健省は、文学を受験科目に含めることの必要性を分析し、科学的、実務上の根拠をしっかりと説明するよう求めている。
またロン氏は、改正診療法では、医業に従事するための免許を取得するには、大学卒業生は国家医療評議会によるコンピュータ上での試験にパスする必要があり、「6年学んだにもかかわらず、この試験をパスできる知識、技能がないといったことがないようにしてほしい」と話した。