- 「フエのブンボーに関する民俗知識」登録
- 何百年も受け継がれる民間の知恵の結晶
- 人々の精神性や生活様式、食文化を反映
文化スポーツ観光省は、「フエのブンボー(ブンボーフエ)に関する民俗知識」を国家無形文化遺産として登録した。
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外国でも知られるようになった北中部地方フエ市名物の麺料理である「ブンボーフエ(Bun bo Hue)」は、何百年にもわたって受け継がれてきた民間の知恵の結晶であり、信仰生活や地域社会の営み、バンクー伝統工芸村(lang Van Cu)やオーサー伝統工芸村(lang O Sa)といった伝統的な麺づくりの村々と深く結びつき、フエの人々の精神性や生活様式、食文化を深く反映した料理となっている。
2014年には、米国の著名なシェフ・料理評論家である故アンソニー・ボーディン氏が、米国のニュース専門テレビ局CNNの番組で「これまでに味わった中で最も素晴らしいスープ」とブンボーフエを紹介した。
2016年にはアジア記録機構(The Asian Records Organisation)の「アジアの価値ある料理トップ100」にブンボーフエが選出された。また、2023年には国際的なグルメサイト「テイストアトラス(TasteAtlas)」の「世界の美食都市トップ100(100 Best Food Cities in the World)」でフエ市が28位にランクインし、ブンボーフエは「フエを訪れたら絶対に食べるべき料理」として評価されている。
ブンボーフエは、様々な歴史の変遷を経てもなお、その調理に関する民俗知識が地域住民の手で守られ、継承されており、食材やスープの煮込み方、味付け、盛り付けに至るまでの調理法が確立されている。
このほか、文化スポーツ観光省は、フエ市ナムドン村(xa Nam Dong)、ロンクアン村(xa Long Quang)、ケーチェー村(xa Khe Tre)に住む少数民族コトゥ族による新米の収穫祭「ブゥオイ・ハロ・トメ(Bhuoih Haro Tome)」も国家無形文化遺産に登録した。
これは、コトゥ族の文化的生活における人間・自然・神々の密接な関係を象徴する農業儀礼で、毎年の収穫後に、豊作と平穏な暮らしをもたらした神々への感謝を表すものとして行われている。