- 娘を轢いたトラック運転手に父が復讐
- 初動対応にミスか、省警察が再捜査
- 交通死亡事故は刑事事件として立件へ

南部メコンデルタ地方ビンロン省警察は、2024年9月4日にチャーオン郡(huyen Tra On)を通る省道901号線で発生した女子生徒の交通死亡事故について、刑事事件として立件することを決定した。
![]() (C)Dan Tri |
この事故では、N・N・B・Tさん(当時14歳)がトラックに轢かれて死亡した。トラック運転手のグエン・バン・バオ・チュン容疑者(男・33歳)は当日、路面に停車していたピックアップトラックを追い越そうとして対向車線に侵入し、電動自転車に乗っていたTさんを轢いて死亡させた。
Tさんは友人の運転する電動自転車の後方を走行していた。チュン容疑者のトラックが車線を越えてきたのを見た友人が自転車を停めたところ、後ろを走っていたTさんがこれに衝突して転倒。その直後、Tさんはトラックに轢かれ、病院で死亡が確認された。
郡警察は2024年12月、事故の主な原因は、Tさんの前方不注意および運転時に安全距離を保たなかったことと結論付けて、刑事事件として立件しないことを決定。一方、チュン容疑者については行政違反にとどまると判断された。
これに対し、郡人民検察院は2025年1月17日、判断に異議を唱えて再捜査を要求。しかし郡警察は1月23日、再び不起訴処分を決定し、2月10日の検察院の再要求にも応じなかった。
こうした地元警察の対応に強い不信感を抱いたTさんの父親N・V・Pさんは4月28日、拳銃を所持してチュン容疑者宅を訪問し、庭先で頭部を撃って殺害を図った。その後、Pさんは国道54号線をチャーオン町(thi tran Tra On)方面へ約200m歩いた地点で、自身の頭部を撃ち抜いて自殺した。
Pさんはその場で死亡。一方、チュン容疑者は一命を取り留め、現在も病院で治療を受けている。今回の事件を受けて、公安省は再捜査の実施とともに、初動対応に当たった関係者の責任追及を厳格に行うよう指示。ビンロン省警察は、一連の事件について引き続き捜査を進めている。