ベトナム人「夫」と台湾人「妻」

2007/05/06 09:05 JST配信

 現在台湾には、婿養子に入り台湾人の妻と幸せに暮らしているベトナム人男性がたくさんいる。2007年3月12日付けの統計によると、台湾人を妻にとり同地で暮らしているベトナム人男性は143人に上るという。もちろん、台湾で暮らすベトナム人妻の7万5743人という数に比べたら微々たるものではある。

 彼らのバックグラウンドはさまざまだ。一体どうして彼らは台湾人女性を妻とし、新しい地での生活を選んだのだろうか。台湾外交部の統計によると、1975年時点で約2000人近いベトナム人男性が台湾人女性と結婚していた。多くは台湾を生活の地に選んだが、30数年の間に亡くなったり、国際結婚が破たんしたりした。

 そして、現在ベトナム人男性と結婚している台湾女性の143人という数は、他の国の男性と結婚している台湾女性の数に比べると非常に少ないと言える。夫がタイ人という人は2924人、日本人は1159人、フィリピン人は382人。ベトナム人の夫は、台湾に9884人いる外国人の夫の中で1.4%を占めるに過ぎない。ベトナム人男性は台湾女性にあまり好かれないのだろうか。

 ここで、台北で幸せに暮らすベトナム人男性と台湾人女性の夫婦を紹介しよう。ベトナム人の夫Qさんは1980年代の終わりごろ、留学生としてアメリカへ渡って法科大学を卒業後、アメリカのコミュニティ発展計画の仕事に携わった。同じ大学の後輩だった台湾人留学生の妻と結婚した後、2人は新生活の場に台湾を選んだ。ベトナムではなくどうして台湾だったのか尋ねると、台湾の方が仕事に有利だったからだという。

 Qさんは今、職場や家庭でのコミュニケーションに英語を使っている。ベトナム語も仕事で常に使っているので、不満は感じないという。妻も簡単なことならベトナム語で言えるようになった。Qさんによると、ベトナム人留学生同士でも、フランスや日本などの第三国で出会い、ベトナムに帰って婚姻届を出す夫婦が多くいるそうだ。

 今述べてきたようなケースのベトナム人男性というのは、みんな高学歴で台湾に渡って自分の会社を開くなど、その辺の台湾人男性よりも条件がそろっている場合が多い。だからこそ、物質的にも精神的にも男性側からの熱心なアプローチを好むことで知られる台湾女性のハートをつかむことができるのだ。台湾女性もどんどん高学歴になっていて、学歴や収入の条件を満たす「理想の男性」に出会うまでは独身でいるという人も多い。

 一方で次のようなケースもある。ベトナム南部の方言を話す童顔のTさんとは、台北の市場で出会った。最初彼は留学生だと言った。しかしよくよく聞いてみると、永住ビザを得るために台湾人女性と結婚したということが分かってきた。

 彼が恥ずかしそうに告白した内容はこうだ。彼の姉は台湾人の夫と結婚し台湾で暮らしている。姉は市場でベトナム料理の店を開いていて、その手伝いをしてもらうために弟を呼び寄せた。しかしベトナム人が台湾で就労するためには、複雑な手続きや保証金が必要になる。そこで彼女は自分の知り合いに手数料を支払って、台湾人妻との結婚の手続きを依頼した。彼は台湾人妻の夫として入国したので、到着した次の日から保証金を支払うことなく合法的に働くことができた。彼は店に寝泊りし、休みの日は同じように台北で働く仲間たちと誘い合って遊びに行く。

 このようなベトナム人男性の多くは、まず3~5年台湾で働いた後帰国する。そのころには台湾の内部事情にも大分通じているので、そこで初めて渡航の手続きをしてくれる心優しい台湾女性を見つけて、主に就労目的のために結婚するのだという。

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