麻薬中毒から自力で抜け出した男性、20年経て中毒者の支援に尽力

2021/05/23 08:10 ICT配信

 商売が順調に進む中、トゥアンさんが薬物依存症治療施設で一緒に過ごした友人が殺人罪で死刑判決を受けたというニュースを読んだ。「もし助けを得られていれば、彼の人生はこのような結果にならなかったでしょう。私と同じように、間違いを犯した人間が人生をやり直せるよう、何か手助けをしなければと決心したんです」とトゥアンさん。

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 トゥアンさんは全財産を売り払い、家族と一緒にハノイ市へ向かった。そして、これまでに蓄積した知識と専門家や科学者のサポートにより、「PSD麻薬使用者心理学研究所(Institute of Psychological Studies and Support To Drug Users)」を設立した。

 これは現在の「PSD薬物防止応用研究所(Institute for Research and Application on Drug Prevention PSD)」の前身となるもので、麻薬中毒者はこのセンターで心理学的サポートや身体的リハビリテーション、また社会復帰支援を受けることができる。

 「社会への負債返済」としてのトゥアンさんの取り組みは、アジア太平洋地域の経済社会開発協力を目的とした国際組織「コロンボ・プラン」から、麻薬の防止や危害の軽減に関する人材育成や訓練といったサポートを受けている。

 9年間の薬物使用の後にPSD研究所を訪れたキム・トゥアンさん(男性・31歳)は現在、研究所の心理カウンセリング専門員を務めている。PSDが他の療養施設と最も大きく異なる点は、自身を尊重して扱ってくれたことだとキム・トゥアンさんは当時を振り返る。

 「特に私はトゥアンさんから意義のある人生の教訓を学びました。私と彼は、まともな教育を受け、家族の関係も良好だったにもかかわらず麻薬中毒に陥ってしまったという共通点があります。それでも彼は立ち上がることができたので、私にもできるはずです」とキム・トゥアンさん。

 現在までに、研究所では230人以上の麻薬中毒者の治療に成功している。トゥアンさんは治療支援のほかに、水産業や不動産業、メディア業などを手掛ける企業を設立した。そして、キム・トゥアンさんのように治療に成功した多くの人々に向けた雇用機会を創出している。

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