- チャムアイングループと戦略基本協定締結
- 特定技能外国人ドライバー制度に対応
- ベトナム全土で日本式運転教育を展開
指定自動車教習所である有限会社羽生モータースクール(埼玉県羽生市)と株式会社広沢自動車学校(徳島県徳島市)は7月30日、2024年末に解禁された特定技能(自動車運送業)制度(外国人ドライバー制度)をめぐり、課題となっている外国人ドライバーの安全性を高めるべく、ホーチミン市で最大規模の自動車教習所を展開するチャムアイングループ(Tram Anh Group)と共同で、日本でトラック・バス・タクシーの運転手を目指すベトナム人向けに、訪日前に日本式運転の学科と実技の教育を提供するための戦略基本協定(MOU)を締結した。
![]() (C) 羽生モータースクール・広沢自動車学校 |
羽生と広沢がベトナムの教習所グループとMOUを結ぶのはこれが2件目で、2月にベトナム全土で教習所事業を展開するバンタイングループ(Van Thanh Group、ハノイ市)ともMOUを締結している。すでに一部の教習所で日本式運転教育の提供を始めているが、今回のMOUの締結により、ベトナム全土で日本式運転教育を展開することが可能となる。
外国人ドライバー制度は、外国人がトラックやバス、タクシーの運転手として日本で働くための制度で、2024年12月に開始された。外国人ドライバー制度は、人手不足の物流や公共交通の新たな担い手として期待されており、日本政府は5年間で2万4500人を上限に外国人ドライバーを受け入れる方針だ。
しかし、職業運転手として訪日を目指す労働者の出身国の中には、運転免許を「買う」ことができたり、自動車教習所がない国もあることから、「海外人材にどのように日本水準の安全運転を身に付けてもらうか」が大きな課題となっていた。
3社は、日本で職業ドライバーを目指すベトナム人材を対象に、ベトナム国内にいる段階から日本式の学科(座学)と実技(運転)の教習を提供する。これにより、対象者が一定水準(外免切替の「技能確認」合格レベル)まで達したことを確認してから訪日し、訪日後にスムーズに運転免許を取得できるようにすることを目指す。