- 海洋政策研究や人材育成などでの協力要請
- ベトナムの深水港を物流拠点として活用
- ザン国防相とも会談、海洋分野の覚書締結
トー・ラム書記長は16日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の補佐官で、同国の海洋評議会議長を務めるニコライ・パトルシェフ氏と会見した。同氏は15日から18日までの日程でベトナムに滞在している。
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ラム書記長は会見で、国家戦略目標達成のためにベトナムが強力な海洋国家になる必要性を指摘し、豊富な海洋活動の経験を持つロシアに対し、海洋政策研究、海洋科学発展、インフラ・海上輸送網、物流システムの整備、人材育成などでの協力を求めた。さらに、双方の利益に沿った持続可能かつ効率的な海洋管理・開発への支援を要請した。
一方のパトルシェフ氏は、ロシアはベトナムをアジア太平洋地域における最重要パートナーの一つとして位置付けているとし、海洋分野での協力推進に向けてプーチン大統領にベトナム側との会談の成果を報告すると述べた。
パトルシェフ氏はまた、国際海上航路の整備でベトナムと協力し、その一環としてベトナムの深水港を地域的・国際的な物流拠点として活用する用意があると述べた。
ラム書記長は、ロシアが東南アジアおよびアジア太平洋地域での役割を高めることを支持するとともに、国連海洋法条約(UNCLOS)を含む国際法に基づく南シナ海問題に対するベトナムと東南アジア諸国連合(ASEAN)の立場を支持するよう要請した。
パトルシェフ氏は会見にあわせて、ラム書記長にロシアの海洋分野協力勲章を授与し、両国間の包括的・戦略的パートナーシップと海洋協力への多大な貢献を称えた。
パトルシェフ氏は同日、ファン・バン・ザン国防相とも会談した。ザン国防相は、今回の訪問は5月にロシアを公式訪問したラム書記長とプーチン大統領が合意した両国間の包括的・戦略的パートナーシップの方向性を具体化する重要なものだと強調した。
ザン国防相は会談で、ベトナムは独立・統一・国家建設に対する旧ソ連とロシアの支援を銘肝していると述べた。また、ロシアが有する広大な港湾網と先進的な造船技術、現代的な海洋管理モデルを評価するとともに、海洋強国として持続可能な発展を遂げ、経済成長と国防・安全保障を両立させるベトナムの方針を伝えた。
パトルシェフ氏は、海洋分野の協力が両国の国防協力を一層深めると述べ、海軍、教育・訓練、海洋科学研究などで連携を強化したいと表明した。会談後、双方は海洋分野における協議に関する覚書を締結した。