登校途中に行方不明となっていた北部バクザン省のヒエンさんとヴァンさんの少女2人が中越国境付近で無事に保護された。少女らの話によると、11月25日の朝、登校途中に男女2人組から道を尋ねられ、親切心からバイクに同乗したところで記憶が途切れており、気付いた時には手足を縄で縛られ口をテープで覆われた状態で車に乗せられていたという。
ヒエンさんとヴァンさんが車で連れて行かれた小屋には、他に14~17歳ぐらいの少年2人と少女3人が同じように縛り上げられ口を塞がれたた状態で閉じ込められていた。この時、ヒエンさんは犯人グループが「これだけ集まれば充分だろう。明日には中国に連れて行こう」と話すのを耳にしたという。
翌26日の明け方近くになって運良くヴァンさんが縄を外すことに成功、残りの6人の縄もほどいた。少年少女らは小屋から脱出すると一目散にそれぞれの方向に逃げ出したため、ヒエンさんとヴァンさんは他の5人の名前すら聞けずじまいだったが、少年2人はバクニン省からさらわれてきたという。
ヒエンさんとヴァンさんは通行人に尋ねて、自分たちが北部ランソン省の中越国境の町ドンダンにいることが分かった。しかしお金を持っていなかったので線路沿いに歩いて家まで帰ろうと、ドンダンから約40km離れたソンホアの駅に着いたところで無事保護された。
<続報>
バクザン省警察は11月29日、人身売買組織からのこの脱出劇が少女2人による狂言だったと明らかにした。警察はことの重大さから捜査員を派遣し確認作業を行った結果、少女らが家族にしかられるのを恐れて狂言を思いついたことが分かった。2人はインターネット店でチャットを楽しんだ後、ランソン省の友人の家に遊びに行った。所持金がなくなると、家族に迎えにきてもらおうと2人で相談、拉致されたことにしたという。