南中部高原地方ラムドン省警察は、ベトナム人の妻を殺害した疑いで、オランダ国籍のケンテル・ヤコブセン・ヨハンソン容疑者(63歳)を逮捕して取り調べを行っている。
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殺害されたのは、同省ダラット市在住のL・T・Dさん(53歳)。ヨハンソン容疑者の供述によると、家族で外食中に、妻がずっと携帯電話をいじっていたことで口論となったことが事件の発端になったという。
容疑者は2日、妻と娘のTさん(25歳)、そして孫たちと一緒にダラット市内のレストランで食事していたが、妻がしきりに携帯電話を触って食事に集中していなかったので、何度も注意した。その後、夫婦の間で口論が発生。ヨハンソン容疑者は、娘が運転するバイクで先に帰宅し、2時間後に妻が家に戻り、仕事があった娘は外出した。
夫婦は帰宅後も口論を続けて、財産分与にまで話が及んだ。激高した容疑者は、キッチンに降りて2本のナイフをとって部屋に戻ると、妻を刺して死に至らしめた。
犯行後、我を取り戻した容疑者は、凶器となった2本のナイフと他のナイフ2本を持って、バイクで家を飛び出した。自殺するつもりだったが、同日午後8時30分頃、市内のATMに立ち寄ったところを警察に逮捕された。逮捕時、容疑者は血塗れの服を着ていた。
ヨハンソン容疑者は2006年にベトナムへ来て、ベトナムと祖国を行き来する生活を続けた。2010年にDさんと結婚。当時、DさんにはTさんを含む2人の連れ子がおり、容疑者が連れ子2人を育ててきた。
Dさんは英語が堪能ではなく、容疑者はベトナム語を話さないため、夫婦の間には言語の壁があったが、これまで大きな問題は発生してこなかったという。容疑者は深い反省の意思を表明しており、自身の犯行を認めている。
警察は現在、供述内容をもとに、関係者に事情を訊くなどして事件の全容解明に向けた捜査を進めている。