ミーライ村(ソンミ村)は、中部最大の都市ダナン市から南へ約130キロのクアンガイ省に位置し、ベトナム戦争のさなか、1968年3月16日にアメリカ軍による無差別大虐殺で504人の村人が犠牲になった村で知られている。この度、同虐殺事件に関ったとされる、サミュエル・W・コスター元少尉(86歳)が、1月23日、腎臓癌のため逝去した。同元少尉の実娘ナンシー・ショーカさんが伝えた。
同元少尉は、1969年にジャーナリストのシーモア・ハッシュ氏が虐殺事件を報道したのをきっかけに、罪に問われていた13人の元兵士の1人で、当時、虐殺が行われていた現場を、上空のヘリコプターから村の様子を見ていたにも関らず、犠牲者数を少数に偽証するなど虐殺行為の隠蔽を図ったとされる。
米軍の取調べの結果、同元少尉は徽章を剥奪され、降格処分を受けており、ベトナム戦争の前線から退いた後は、ウエストポイントにある軍事訓練学校に勤務していた。