北部ビンフック省人民裁判所はこのほど、実の母親に対し「面倒を見た期間の賃金」として扶養費用の支払いを要求していた男性の訴えを棄却した。しかし訴えを起こしたゴ・スアン・タインさんはこれを不服とし、控訴する構えを見せている。
事の発端は、タインさんの両親が、自分たちの死後に全財産をタインさんに渡すという遺言状を作成した1997年にさかのぼる。翌年父親が他界すると、タインさんと母親のチュオックさんは遺言の内容をめぐって争うようになり、母親は遺言状の無効を裁判所に訴え、認められた。しかし2005年に、地方政府が戦死者の母であるチュオックさんに住宅を無料で建設しようとした際、タインさんはあくまで土地を含めた両親の全財産は自分のものだと主張し、土地の使用を認めなかった。そのため、地方政府は別の土地に住宅を建設し、チュオックさんに寄贈した。建設費用は1700万ドン(約10万円)とされる。
これを不満に思ったタインさんは、1997年から2005年までのチュオックさんに対する扶養費用として1日5万ドン、総額約1億4600万ドン(約90万円)を請求する訴えを起こした。さらに、チュオックさんが所有する住宅は自分の財産の一部でもあるとして、建設費の半分にあたる850万ドン(約5万円)の支払いも要求していた。