ベトナム科学技術連盟はハノイ市で14日、「原子力発電所建設~科学者の意見」と題するセミナーを開催した。同セミナーは、関係省庁によって現在進められている原子力発電所建設計画に対する科学者側の懸念を表明する場となった。
商工省のエネルギー研究所は現在、東南部ニントゥアン省の隣接する2カ所での原発建設をほぼ同時に進める計画案を作成中だ。それによると、いずれも出力1000メガワットの原子炉を合わせて4基建設し、2020年から2024年にかけて稼動を開始させる予定になっている。
これに対し会議に参加した科学者らは、原発の建設には賛意を示したものの「2020年の原発稼動を目指すなら、遅くとも2015年には着工する必要がある。今すぐにでも専門家が準備作業に着手しなければならない」と指摘。さらに「この分野に精通している人間は数えるほどしかおらず、原子炉4基を同時に建設するのは極めて困難」と深い懸念を明らかにした。