メコンデルタ地方カントー市で22日に行われた「グローバル気候変動の最新情報とベトナムへの影響」をテーマとしたセミナーで、資源環境省気象学・環境研究所のチャン・トゥック所長は「ベトナムは気候変動により国内総生産(GDP)の10%を失う恐れがある」と発表した。24日付ザンチーが報じた。
トゥック所長によると、過去50年間でベトナムの気温は約0.5度上昇、海面の水位は約20センチメートル上昇し、台風、洪水、干ばつによる被害が深刻化しているという。ベトナムの気候変動シナリオによると、21世紀末には気温が2~3度上昇し、年間雨量が増加する一方で乾季の雨量は減少し、海面は1980~1999年の平均水位に比べ0.75~1メートル上昇するとされる。
トゥック所長は、「海面が1メートル上昇すると、メコンデルタの約40%、北部ホン川(紅河)デルタの11%、その他沿岸地域の3%が浸水する。ホーチミン市も20%以上が浸水する。人口の10~12%が直接的な影響を受け、GDPの約10%を失う恐れがある」と強調した。