気候変動予測、海面上昇で広大な稲作地が浸水の恐れ

2011/11/10 17:39 JST配信

 資源環境省傘下の環境気象科学研究所はホーチミン市で7日、ベトナムの気候変動に関するシンポジウムを開催した。シンポジウムにおいて、同研究所は気候変動に関する最新のレポートを報告し、今後の予測シナリオを発表した。7日付タインニエン紙(電子版)が報じた。

 それによると、21世紀末には全国的な気温が現在より1.9~3.1度上昇し、35度を上回る日数が年間10~20日増加する。また、海面水位が58~73センチメートル上昇する見通し。海面水位の上昇が最も大きい地域は、メコンデルタ地方のキエンザン省からカマウ省までの地域で、62~82センチメートル上昇する。上昇が最も小さい地域の東北部クアンニン省でも49~64センチメートル上昇する見通し。

 また、悲観的シナリオでは、21世紀末時点で海面水位が全国的に78~95センチメートル上昇し、海面水位の上昇が最も大きい前述の地域では、85~105センチメートル上昇する恐れもあるという。

 今後、万全の対策をとらなければ、海面水位が1メートル上昇した場合、全国面積の6.3%に相当する2万0876平方キロメートルの陸地が浸水し、ベトナムの食糧安全保障を支える最大の稲作地帯であるメコンデルタ地方と紅河デルタ地方で、それぞれ39%、10.5%が浸水し、食糧危機に直面する。更に、ベトナムの最重要都市であるホーチミン市の20.1%も浸水する計算になるという。

[Quang Duan, Thanh Nien, 23:51 (GMT+7) 7/11/2011 U]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 資源環境省が25日に発表した気候変動・海面上昇シナリオの最新版によると、21世紀末までに全国の多くの...
 国会常務委員会はこのほど、メコンデルタ地方における気候変動対策に関する政策・法律実施状況調査結果...
 米国の信用格付機関スタンダード&プアーズ(S&P)がこのほど、気候変動で被害を受けやすい国の2013年...
 メコンデルタ地方から他の地域への移住者は将来大幅に増えるだろう。4日と5日にメコンデルタ地方カント...
 ホーチミン市資源環境局は20日、同市における過去数年の気象変動監視レポートを発表した。同局はレポー...
 グエン・ミン・クアン資源環境相は7日、気候変動に関する国家戦略とベトナムの気候変動・海面上昇シナ...
 「経済社会の安全値を高めるためのIT活用セミナー」がハノイ市で17日、情報通信省傘下のソフトウェア・...
 メコンデルタ地方カントー市で22日に行われた「グローバル気候変動の最新情報とベトナムへの影響」をテ...

新着ニュース一覧

 ハノイ市都市鉄道(メトロ)2A号線(ドンダー区カットリン~ハドン区間)および3号線(ニョン~ハノイ駅区間...
 国内最大規模の薬局チェーン「ロンチャウ(Long Chau)」を運営するFPTリテール
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 2025年1~6月期におけるベトナム産ライチの輸出額は4540万USD(約66億7000万円)に達し、前年同期比+92%...
 毎週火曜日と金曜日の午前9時から11時まで、ホーチミン市ヒエップビン街区(旧トゥードゥック市の一部)...
 公安省は5日、8月6日の「ベトナムサイバーセキュリティデー」に合わせて、「国家サイバーセキュリティ...
 ホーチミン市人民委員会は、道路法と道路交通秩序安全法が2025年1月1日に施行されたことを受けて、歩道...
 南部メコンデルタ地方カマウ省のカマウ空港は、インフラ拡張と近代化工事に伴い、11月1日から2026年10...
 ガソリン車から電気自動車(EV)や電動バイクへの移行を支持する市民は多いが、マンションではEVの駐車も...
 ルオン・クオン国家主席は3日から6日までエジプトを公式訪問し、アブドゥルファッターハ・エルシーシ大...
 ハノイ市都市鉄道(メトロ)3号線(ニョン~ハノイ駅区間)のトンネル掘削工事現場で6日未明、ザンボー街区...
 財政省傘下統計局(NSO)の発表によると、2025年7月の全国消費者物価指数(CPI)は前月比+0.11%上昇、前年...
 南部メコンデルタ地方アンザン省海事港湾局は4日、想定した所要時間で運航できなかったとして、寝台高...
 採用業務代行(RPO)や採用コンサルティングを手掛ける株式会社ツナググループ・ホールディングス(東京都...
 財政省傘下統計局(NSO)が発表した統計データによると、2025年7月の輸出額(推定値)は前年同月比+16.0%...
トップページに戻る