新型コロナウイルス治療に向けたワクチン開発を進める保健省傘下第1ワクチン生薬製造会社(Vabiotech)は現在、マウスを用いた実験を行っている。
(C) tuoitre |
同社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が中国・武漢で猛威を振るい始めた1月下旬から、英国ブリストル大学と協力してワクチン開発に着手。4月下旬には、マウスを用いた実験を開始した。
実験用マウス50匹にワクチンを投与してから10日間以上が経過した現時点で、マウスはいずれも健康な状態を保っている。ワクチン接種から2週間後に血液を採取し、抗体の分析・評価を行う予定だ。
研究グループは、マウスを用いた実験が成功した場合、国際レベルの基金を通じて資金調達を行い、その後、参加希望者を募って治験を実施する方針。
Vabiotechの他には、科学技術省傘下の4つの組織が新型コロナワクチンを開発中だが、現時点でマウス実験まで進んでいるのはVabiotechのみ。
なお、ベトナムは既にPCR法(遺伝子増幅法)による新型コロナ検査キットの量産を開始しているほか、血液から分離した血清を調べてウイルス抗体を検出する「ELISA法」を用いた抗原迅速検査キットの開発にも成功し、量産に向けた準備を進めている。