国内最高レベルの病院として知られる保健省傘下のバックマイ病院(ハノイ市)における医療機器の調達価格の水増し事件で、同病院の元院長グエン・クオック・アイン容疑者(男・61歳)が公務執行上の職権乱用容疑で逮捕された。公安省傘下の密輸経済汚職犯罪捜査警察局(C03)が25日に明らかにした。
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また、元副院長のグエン・ゴック・ヒエン容疑者(男)、チーフアカウンタント(経理部長)のチン・ティ・トゥアン容疑者(女)の2人も同じ容疑で逮捕され、捜査を受けている。
この事件は、BMSメディカル・テクノロジー社(BMS Medical Technology=BMS)がバックマイ病院との事業提携のもと、神経外科手術支援ロボット「ROSA」を74億VND(約3400万円)で調達し、同病院に導入した際、調達価格を5.3倍に相当する390億VND(約1億8000万円)にも水増し、その分を患者の負担となる治療費に転嫁していたというもの。
バックマイ病院はROSAを使用して2017年から2019年にかけて550件の治療を行った。違反の発覚を受け、2020年5月末からROSAによる治療を一時停止すると共に、外部との提携事業すべてについて見直しを行っている。
これに先立ち、BMS会長 兼 社長のファム・ドゥック・トゥアン容疑者(男・42歳)と副社長のゴ・ティ・トゥー・フエン容疑者(女・37歳)が逮捕され、問題の医療機器の価値評価を担当したハノイ価値評価金融サービス社(Ha Noi Valuation And Financial Services=VFS)の従業員であるチャン・レ・ホアン容疑者(男・42歳)も在宅起訴された。3人はいずれも詐欺・資産横領容疑で捜査を受けている。