「倒れた父のもとに帰りたい」両手のない宝くじ売りの男性を例外輸送、航空会社の対応に称賛の声

2021/06/07 04:56 JST配信

 地場不動産デベロッパー大手FLCグループ[FLC](FLC Group)傘下のバンブー航空(Bamboo Airways)が5月31日に、ある男性をホーチミン市からハノイ市まで輸送した出来事が大きな話題になっている。

(C) thanhnien
(C) thanhnien

 同日午後4時ごろ、ホーチミン市タンソンニャット国際空港にグエン・クオック・フオンさん(北部紅河デルタ地方フンイエン省出身)が現れ、スタッフに「家族から、父が脳梗塞で倒れたと電話が入った」と涙ながらに語り、故郷まで乗せてほしいと懇願した。

 フオンさんは両手がないため、通常の身分証明書を所持しておらず、地元の村人民委員会から交付された身体障がい者証明書を提示して「これで飛行機に乗れますか?」とスタッフに尋ねた。

 フオンさんを気の毒に思い、同情した航空券販売スタッフのルオン・ティ・トゥー・タオさん(女性)はフオンさんの件について上司のグエン・ドアン・チーさん(男性)に報告し、チーさんは空港のセキュリティ担当者とバンブー航空の上層部に確認し、了承を得た上でフオンさんの要求に応じた。

 フオンさんの故郷であるフンイエン省に隣接するハノイ市ノイバイ国際空港までの航空券は90万VND(約4300円)だったが、フオンさんがボロボロのかばんから取り出した所持金は、小額紙幣35万VND(約1680円)分しかなかった。

 3年前に地元を離れホーチミン市で宝くじ売りをしているフオンさんは、自分の生計を立てるだけでなく、家族へ仕送りもしており、宝くじ売りで稼いだこの小額紙幣は彼にとっては貴重なお金だった。

 不足分を埋めるため友人からお金を借りに行こうとしたフオンさんだったが、チーさんとタオさんは、「それでは搭乗時間に間に合わない」と2人でお金を出し合い、フオンさんのチケットを購入した。

 その後、チーさんはフオンさんが確実に搭乗できるように案内し、タオさんはその間に付近を歩き回ってスタッフらから寄付金を集め、フオンさんに手渡した。

 熱い人情に感動して泣き出したフオンさんはスタッフらの名前を尋ね、感謝の言葉を繰り返した。そしてフオンさんの嬉し涙を見て、誰もが胸を熱くした。

 この出来事について、インターネット上でも航空会社のスタッフの対応に称賛の声があがっている。

 バンブー航空はこれに先立つ5月25日にも、上層部の了承のもとで社内規定を破り、生まれたばかりの未熟児を離島から本土の病院まで輸送した。

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