西北部地方ディエンビエン省に住む女子中学生ズアさん(13歳)は、学校の「トイレ」が汚く、長時間待たねばならない辛さに耐えかねて、2週間ほど学校を休んだことがある。
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少数民族で、山間の地域に住む彼女が行くことになった中学校は家から7km離れた場所にあり、寄宿舎生活となったのだが、初日からショックを受けた。トイレに行くために何十人もの列に並ばなければならなかったからだ。「どうしても我慢できず、近くの小川に走りました」とズアさん。
しかし昼間のショックも癒えぬうちに、今度は夜がやってきた。夜になってトイレに行きたくなると、懐中電灯を持ち、友達に付き合ってもらっていたのだが、ある夜に恥ずかしくなるような出来事が起きてしまい、彼女は翌朝から学校を休み、そのまま家に帰ってしまった。
2日連続で学校を休んだズアさんを心配してクラス担任が家庭を訪問、学校に来るよう励ました。応じたズアさんと一緒に学校に戻る道すがらに担任がそっと理由を聞くと、「トイレが汚すぎる」ことが嫌なのだとズアさんが小声で教えてくれたという。
山間にある学校には1000人を超える生徒が通うが、トイレは男女合計で20の個室しかない。それも2017年に建てられた粗末なもので、老朽化が著しく、休み時間には行列ができ、個室を少なくともあと10室ほど増やす必要がある。しかし建て増ししようにも、学校では人員を動員するくらいしかできず、肝心の資金は自治体や民間、篤志家の力を得ねばならず、資金が得られないうちは、何とか修理をして維持し、清掃を強化して、しのぐことくらいしかできない。
教育訓練省の統計によると、全国には幼稚園から高校まで18万8000か所のトイレがあり、うち67%は堅固なつくりだが、残りは改修や建て直しが必要な状態にある。