ベトナムの国際空港で最近、入国審査官や税関職員から「袖の下」を要求される事例が相次いで見つかっており、ネット上で批判の的となっている。
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先日、シンガポール人のK・Pさん(男性)がSNSに投稿したところによると、ハノイ市ノイバイ国際空港で出国手続きを行っていた際、審査官がPさんの航空券に「tip(チップ)」と書いて現金を要求した。
当初は応じなかったPさんだったが、審査官がパスポートを返却しようとせず、航空機の離陸時間も迫っていたため、結局50万VND(約2800円)を手渡さなければならなかった。Pさんは帰国後、シンガポール外務省に被害を届け出た。
この数日後、今度はオーストラリアから帰国したベトナム人男性が、ホーチミン市タンソンニャット国際空港で税関職員から「袖の下」を求められた際の様子を撮影した動画を投稿し、ネット上で急速に拡散されている。
動画を撮影したのはN・H・A・Nさん(南中部沿岸地方ニントゥアン省出身)。Nさんは2022年10月16日にオーストラリアから帰国し、大量のスキンケアクリーム(羊由来プラセンタ)を持ち帰った。税関職員は、量が上限を超えているとして、見て見ぬふりする代わりに「袖の下」を要求。
これに反発したNさんは、証拠として税関職員の不適切な対応を動画で撮影。税関職員の上司に対して書面で記録するよう求めた。これを受けた上司は、Nさんに謝罪した上で罰金を科さないことを約束。全てを無かったことにする代わりとして動画の削除を求め、同意したNさんが携帯電話を渡すと、税関職員らが自ら問題の動画を削除した。
Nさんは今回、ノイバイ国際空港の審査官が外国人観光客に「袖の下」を要求したという事件を知って憤慨。削除された動画を携帯電話のゴミ箱フォルダーから探し出して、不正を暴くためにネット上で晒すことにした。
なお、今回の暴露により「袖の下」を求めたとされる税関職員は、タンソンニャット国際空港税関支局から職務停止処分を受けたとのこと。