北中部地方タインホア省ハーチュン郡には、「川を挟んで隣り合う村落の男女が結婚してはならない」という昔ながらの掟が今も生きている場所がある。ハーザン村のチャインロック村落とハーティエン村のドンボン村落で、これまでにこの掟を破った例は1組だけだという。
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ドンボン村落長のトン・バン・クエン氏によると、これは数百年前から伝わる掟で、2つの村落が形成された歴史に関わっているといい、父親からこんな話を聞いたという。「昔々、中国出身の男性が、ハーチュン郡のホアット川沿いの土地を開拓して2つの村落を作った。先にできたチャインロック村落が兄村落、後にできたバンドン村落が弟村落と呼ばれるようになり、両村落の人々が実の兄弟のように交流し出した時から、両村落の男女の結婚が禁じられるようになった」。
チャインロック村落のチャン・タイン・スアン氏(男性・58歳)は、「かなり前に掟を破って結婚した男女が1組あり、経済的にも恵まれていたにも関わらず、その後どういう訳か離婚してしまった。これが唯一の掟を破った例だ」と語った。
ハーティエン村人民委員会によると、こうした掟があるのは事実で、今でも地元の人々が守っているという。