ホーチミン市でボツリヌス菌による食中毒が相次いで発生して、6人が重度の中毒症状を起こし、うち1人が死亡した問題で、市当局は患者らが口にしたベトナムハム(チャールア=Cha lua)を製造した施設を特定した。
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施設は同市直轄トゥードゥック市チュオントー街区(phuong Truong Tho)に所在し、無認可で営業していた。しかし、患者らの食べ残しと施設から採取したサンプルを検査した結果、いずれからもボツリヌス菌は検出されず、患者らがボツリヌス中毒となった原因はいまだ不明だ。
5月中旬に発生した一連の食中毒では、患者らは行商が販売した製造元の不明なチャールア、マム(醤)料理を食べていたとされる。
このうち、ザーディン人民病院で治療を受けていた45歳の男性患者(トゥードゥック市在住)は抗毒素による治療が間に合わず、24日夜に死亡。この男性は中毒を起こす前にマム料理を食べていた。
一方、チャールアを食べて食中毒となったのは、10歳、13歳、14歳の3兄弟と、18歳、26歳の兄弟。いずれもトゥードゥック市在住で、第2小児病院とチョーライ病院でそれぞれ治療を受けている。
これに関連し、ベトナム保健省の要請に応じて世界保健機関(WHO)が、緊急支援としてスイスにある倉庫から輸送したボツリヌス抗毒素6本が24日夜にホーチミン市に到着した。抗毒素は、患者が入院している病院に配分され、第2小児病院が3本、チョーライ病院が2本、ザーディン人民病院が1本を受け取った。
第2小児病院で治療中の3人のうち、抗毒素による治療を受けた14歳の少年は健康が回復しており、26日に退院予定。一方、弟2人は依然として重篤な状態にあり、人工呼吸器を必要としている。また、チョーライ病院で治療中の2人も依然として重体が続いている。