- 北中部から北部にかけての地域に上陸
- 豪雨や強風により各地で大きな被害
- 一部の河川で28日まで洪水発生の可能性
23日午前に南シナ海で発生した台風5号(アジア名:カジキ、日本では台風13号)が、25日にベトナムの北中部から北部にかけての地域に上陸した。豪雨や強風により、各地で大きな被害が発生した。
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26日午前7時までに、北部紅河デルタ地方ニンビン省、北中部地方ゲアン省、同ハティン省の3省でそれぞれ1人の計3人が死亡したほか、ハティン省と北中部地方クアンチ省でそれぞれ5人、北部地方フート省とゲアン省で3人の計13人が負傷した。
また、約1万軒の家屋が、冠水や屋根が吹き飛ばされるなどの被害を受けた。家屋の被害はハティン省に集中し、約6300軒が屋根が吹き飛ばされるなどの被害を受け、約3100軒が冠水した。
農業の被害や交通の混乱も深刻だ。農業・インフラへの影響について、約3万1000haの稲作地、約2700haの畑、約2300haの果樹園が被害を受けたほか、約1万9100本の樹木が倒木した。
北中部地方タインホア省、ゲアン省、ハティン省の3省を中心に、約740本の電柱が折れるなど電力網が大きな打撃を受け、約160万軒が停電した。航空便も混乱し、25日には30便が迂回、35便が欠航を余儀なくされた。
天気予報によると、タオ(Thao)川やトゥオン(Thuong)川では、26日から28日まで洪水が発生する可能性がある。ホアンロン(Hoang Long)川、ルックナム(Luc Nam)川のほか、タインホア省とゲアン省の河川では水位上昇が続く見込みだ。
川沿いの低地や住宅区では冠水の危険性が高く、西北部地方ラオカイ省、フート省、北部地方バクニン省の山岳地帯、またタインホア省からゲアン省にかけての山岳地帯では、鉄砲水や土砂崩れ・地すべりが発生するリスクが高いと警告されている。