国内最大で、東南アジア地域でも最大規模の花農場を有するダラット・ハスファーム社は、オランダで生まれ育ったトーマス・フーフト氏(64歳)によって設立された。彼が初めて中部高原地方ラムドン省ダラット市を訪れたのは、今から約20年前の1993年のことだった。土地と気候が草花の栽培に適していると感じた彼は、この地で草花栽培をしようと決意、翌1994年に会社を立ち上げた。
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フーフト氏は、欧州の先進的な草花栽培システムと技術を導入した。地元の草花農家らは当時、初めて目にする大掛かりな温室や自動化された栽培システムを見て、目を丸くした。1ヘクタール当たりの温室に対する投資額は約60億ドン(約2300万円)。温度や湿度などの条件がコンピュータで管理されている。
収穫した花は分類された後、温度が4~10度に設定された冷蔵室に入れられ、包装して各地に出荷される。そのため、ハスファームの花は日持ちや香りが良く、欧州産の花にも引けをとらない品質との評価を受けている。
花の種類も豊富で、カーネーション、ユリ、アシスタシア、ガーベラ、バラ、キクなど各種揃えている。1996年に初めてバラをタイに輸出、その後日本にも輸出するようになった。現在では年間8000万本の花を、オーストラリア、シンガポール、インドネシア、日本、デンマーク、タイ、台湾などに輸出している。