ホーチミン市3区ホースアンフオン通り6番地で最近、低所得者向けの社会食堂「ヌクオイ(スマイルの意)」がオープンした。月・水・金曜日の昼に、250食を1食当たり2000ドン(約7.7円)で提供している。こんなに安くてもメニューは、肉・野菜・スープ・デザートが付いてご飯はおかわり自由、お茶とバイクの駐輪も無料といたれりつくせりだ。
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初めて訪れた人はたいてい「本当に2000ドン?」と不信感を隠せない。食券を購入し、お盆にメニュー通りの皿がそろい、椅子に腰を下ろした時に、ようやく安心して誰もが「助かるなあ」と口にする。
肝臓病を患いながら守衛の仕事をしている65歳の男性ズオンさんは、「普段の昼食は1万9000ドン(約73円)します。ここで週3度食べて浮いたお金を診療代に回すことができますよ、助かります」と話した。父親を早くに亡くし宝くじを売って母親を助けている少年、空き缶・空き瓶を拾い集めている男性などこの食堂に来る人の境遇は様々だが、彼らの助けになっていることは確かなようだ。
食堂には人々の善意も集まる。食事をした後に何時まで店を開けているか尋ね、2袋のコメを届けて名前も告げずに立ち去った人もいれば、従業員の人数を聞いて人数分の豆乳を届けた人もいる。