ハノイ市カウザイ区ズイタン通り76番地の路地にある精進料理食堂「フオックハウ」は、「おかずは自分で選んでとり、食事代は自分が払いたい分だけ払う」という何とも珍しいシステムで多くの人を惹き付けている。
(C) soha 食事代は「心付け」を箱に入れる |
(C) soha おかずは自分で選んでとる |
(C) soha 店主のダットさん |
店主は東北部タイグエン省フービン郡出身、1987年生まれのズオン・カイン・ダットさん。父は農民、母は教員の貧しい家に生まれたダットさんは、母と同じ教師の道を志した。しかし勉学は思うようにいかず、タイグエン省にある商業観光短期大学のレストラン学科に転入する。
ダットさんは、学費を稼ぐためにバイクタクシーの運転手や大工、食堂の店員などとして働いた。こうした中、2年近く食品加工会社で動物を殺生する仕事を担当していた時には、罪悪感にさいなまれることがあったという。
短大を卒業した2009年、殺生に対する罪悪感から、彼は若くして同省のフーリエン寺に入門し、精進料理の作り方を学んだ。その後、北から南まであちこちの精進料理食堂で修行を重ねながら、彼は1800万VND(約10万円)の資金を貯めた。