ホーチミン市3区ホースアンフオン通り6番地にある貧困層向け慈善食堂「ヌクオイ」(スマイルの意)で、ボランティアとして働くアメリカ人男性がいる。5日付タインニエン紙(電子版)が報じた。
(C)Thanh Nien, ジョン・ウイリアム・ケリーさん(写真中央) |
ここで働くジョン・ウイリアム・ケリーさん(61歳)は、米軍の技術部門で勤めた経験があるが、ベトナム戦争に従軍したことはない。しかし、2004年にベトナムを訪問した際、ホーチミン市の戦争証跡博物館を見学したケリーさんは戦争の悲惨さを痛感し、ベトナム人に何か償いをしたいと思うようになったという。
2011年の定年退職を機に、ケリーさんはベトナムへの移住を決意。ベトナム人の友達が紹介してくれた慈善食堂「ヌクオイ」でボランティアとして働くようになった。今では、厨房の手伝いからウェイターまでこなしている。
外国人であるケリーさんが、どうやって客とコミュニケーションをとるのかという質問に対し、ケリーさんは「ホテルの人に書いてもらったベトナム語のメモがあるから、コミュニケーションには全く支障が無いんだ」と語った。
なお、同食堂は貧困層向けの慈善食堂ではあるが、無料で施しを受けたくはないという人が多いため、訪れる客から必ず1食2000ドン(約10円)の対価を受け取ることにしているという。