下半身不随でも諦めず、機械工として生きる男性

2021/06/06 10:52 JST配信

 このように日常を観察することで、タインさんはそれぞれ用途が異なる数十種類の道具や機械を生み出してきた。そして、ニンニクスライサーから障がい者用の電動車椅子まで扱う小さな溶接店は、南部メコンデルタ地方ロンアン省タンアン市で名の知られた機械工場に発展していった。

(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress

 「私は父をとても誇りに思っています。父は手に職を持って働き、健常者と同じように収入を得ているんですから」と、タインさんの息子であるカオ・ティエンさん(男性・30歳)は教えてくれた。

 年を重ねたタインさんの両手は、長年にわたる過労が蓄積したこと、また両脚の代わりに身体を持ち上げてきたことで、2年ほど前から関節が痛むようになった。治療のための入院中、タインさんは自分自身が乗る車を作ろうと考えていた。

 レーシングカーのような形を思い浮かべ、頭の中でフレームを描いた。退院すると、設計図やデータを書き出すことなく、すぐに製作に取りかかった。はじめに車のフレーム、そして座席、エンジンルームに加え、ルーフ、ウインカー、マフラーなどの部品に着手し、6か月後にタインさんオリジナルの車が完成した。

 「健康な人にはたくさんの選択肢があり、どんな車でも運転できます。両脚が動かない私にとって、自分に合った車を作り、自分で運転して出かけられるというのは大きな誇りです。好きなことはやってみる。落ち込んだり諦めたりしなければ、成し遂げられます」とタインさんは語る。

 最近、タインさんは車に運転手と車体を上に持ち上げて180度回転させるシステムを追加し、車の方向転換がより容易になった。

 タインさんは車のハンドルについたミラーを見てこう語った。「自分の顔がどう見えるか、時々確認するためにこの鏡を取り付けたんです。振り返ってみると、この仕事のおかげで自分自身が成長し、また子供たちを養って来られたことはとても幸運で、何よりの幸せです」。タインさんはそう言うと、優しく笑った。

前へ   1   2   3   次へ
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

新着ニュース一覧

 ベトナムにおける2026年1~3月期の電気自動車(EV)販売台数は前年同期比約+55%増となり、東南アジアで...
 公安省は、運転免許試験、運転免許証および国際運転免許証の交付と使用に関する通達草案について意見聴...
 米国のテクノロジー企業であるマイクロソフト(Microsoft)のレポート「グローバルAIディフュージョン(Gl...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ハノイ市ドンダー街区イエンラン通りにあるカフェ「モーフォー(Mo Pho)」のドアを開けると、店内は静ま...
 ファム・ティ・タイン・チャー副首相は、新時代の出版活動におけるベトナム共産党の指導力強化に関する...
 中国のインフラ開発大手である太平洋建設集団(China Pacific Construction Group=CPCG)は最近、ベトナ...
 韓国の電子部品メーカーであるインターフレックス(Interflex)は、北部地方フート省(旧ビンフック省)の...
 公安省傘下交通警察局の代表者は14日、自動車運転免許試験のシミュレーション試験が7月1日から廃止され...
 政府は航空輸送に関する政令第208号/2026/ND-CPを公布した。同政令では、フライトの遅延や欠航、スケジ...
 南中部地方ダナン市のダナン国際空港で15日より、外国人の入国者を対象とした「渡航情報事前登録システ...
 米経済誌フォーチュン(Fortune)は、東南アジアの大手企業500社のランキング「フォーチュン・東南アジア...
 政府は、従来のRON95ガソリンにバイオエタノールを10%混合したE10ガソリン(E10RON95)の導入ロードマッ...
 ハノイ市人民評議会はこのほど、都市秩序や交通に関する一部の違反行為の罰金を現行の2倍に引き上げる...
 ホー・クオック・ズン副首相はこのほど、ホーチミン市のサイゴンハイテクパーク(SHTP)の拡張と、SHTPの...
 日本政府観光局(JNTO)が発表した統計(推計値)によると、2026年5月の訪日ベトナム人の数は前年同月比▲2....
トップページに戻る