在ベトナム日系企業の56.1%が「事業拡大」、ジェトロ調査

2024/11/29 16:56 JST配信
  • 6割超が営業利益見込みを黒字と回答
  • アフターコロナで4割が設備増強
  • 直近5年の生産移管先はベトナムが最多

 日本貿易振興機構(ジェトロ)はこのほど、2024年度の海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)の結果を発表した。ジェトロは2024年8~9月に、北東アジア5か国・地域、ASEAN9か国、南西アジア4か国、オセアニア2か国の計20か国・地域に進出する日系企業に対し、現地での活動実態に関するアンケート調査を実施。有効回答は5007社(有効回答率36.5%)だった。

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 2024年の営業利益見込みを「黒字」と回答した企業は65.8%で、前年調査(62.4%)より+3.4ポイント上昇した。「赤字」は16.7%で、前年調査(18.9%)より▲2.2ポイント低下した。国・地域別で見てみると、中国は58.4%で前年調査より▲1.9ポイント低下し、2013年以降で最低。ASEANは+4.3ポイント上昇、インドは+6.8ポイント上昇して2008年以降で最高となった。ベトナムは+9.8ポイント上昇で、64.1%が「黒字」と回答した。

 2024年の営業利益見込み(前年比)が「改善」と回答した企業は37.4%で、前年調査より+4.3ポイント上昇。「悪化」と回答した企業は26.3%で▲6.5ポイント低下した。国・地域別では、スリランカ(+22.4ポイント)、ベトナム(+16.8ポイント)、パキスタン(+15.3ポイント)、台湾(+14.7ポイント)で「改善」が大幅に上昇した。

 2025年の営業利益見通しは、2024年(見込み)と比べて「改善」が+3.0ポイント上昇し、「悪化」は▲14.2ポイント低下した。「改善」回答の割合を国・地域別で見てみると、スリランカ(75.0%)、パキスタン(60%)、インド(57.9%)、カンボジア(52.0%)、ベトナム(50.4%)の順で高かった。

 2024年の景況感を示すDI値は11.1ポイントと、前年調査より+10ポイント以上の上昇となった。台湾は+29.4ポイント、韓国は+15.7ポイント、ASEANは+14.2ポイント上昇した。一方、中国は▲2.9ポイント低下した。

 アフターコロナに実施した取り組みについては、現地人材の育成(54.2%)、雇用増加(31.2%)が多かった。製造業で、設備の増強を実施した企業は36.0%。インド、バングラデシュ、ラオスでは約5割、ベトナム、フィリピンでは4割以上の企業が設備を増強した。

 今後1~2年の事業展開の方向性について「拡大」と回答した企業の割合は43.8%と、前年調査(45.5%)より▲1.7ポイント低下した。また、「縮小」、「第三国(地域)へ移転・撤退」の割合の合計は5.9%と、前年調査(5.4%)より+0.5ポイント上昇した。ベトナムでは「拡大」が56.1%、「現状維持」が40.7%だった。

 直近5年間で他国・地域からの生産移管があった企業(製造業)は15.6%。日本や中国からASEANへの移管が多く、特にベトナムへの移管が24.8%と最多だった。

[2024年11月28日 日本貿易振興機構プレスリリース U]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
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