- ベトナム人の消費者心理指数は67ポイント
- ベトナムがASEAN首位、域内で最も楽観的
- ASEAN消費者心理指数の平均は54ポイント
シンガポール系ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)が先般発表した「東南アジア諸国連合(ASEAN)消費者心理調査」2025年版によると、ベトナム人の消費者心理指数は67ポイントでASEAN首位となり、域内で最も楽観的な国となった。経済や個人財政への自信が際立つ一方で、生活費や環境問題への懸念も浮き彫りになっている。
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今回の調査は、◇シンガポール、◇マレーシア、◇タイ、◇インドネシア、◇ベトナムの5か国の国民計5000人を対象に実施したもの。ASEAN消費者心理指数の平均は54ポイントで、前年比+1ポイント上昇した。
<ASEAN消費者心理指数>
国別でみると、ベトナムは67ポイントで前年比+3ポイント上昇して、トップに立った。以下、◇インドネシア:55ポイント(同▲3ポイント低下)、◇マレーシア:53ポイント(同+11ポイント上昇)、◇シンガポール(同▲10ポイント低下)、◇タイ:47ポイント(同+2ポイント上昇)と続いた。
ベトナムは総合指数で首位に立っただけでなく、経済の展望や個人財政の状況に対しても楽観的で、詳細な項目でも突出した数値を記録した。具体的には、ベトナム人消費者の83%が経済、82%が政治、81%が社会の安定を肯定的に評価しており、いずれも域内最高水準だった。
さらに92%が今後12か月の個人財政について、現状維持または改善すると考えていると回答し、雇用や収入への自信を示した。
一方で、59%が生活費上昇を懸念、61%が気候変動や災害などの環境問題が心配、54%が家計支出の増加に不安を抱えると回答するなど、課題も明らかになった。多くのベトナム人消費者が支出の管理をより徹底して、貯蓄と投資を増やしたいと考えている。
また、ベトナム人消費者の間では、必需品に加え、教育、医療、テクノロジー、デジタルサービスへの支出を優先する傾向が強まっており、短期的な需要よりも生活の質向上や持続的価値を重視する姿勢が見られた。