夏の観光のピークシーズンを迎えているベトナムで、国内線航空券の価格が前年同期比で最大▲60%下落し、新型コロナ禍後の最安値となっており、旅行需要が急増している。燃料価格の下落や航空会社の供給量の増加などが主な要因だ。
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各社の供給増と運賃の状況
全日本空輸(ANA)が出資するベトナムのフラッグキャリアであるベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は、今夏の国内線で前年同期比+16%増となる約550万席を供給している。国内最大手の格安航空会社(LCC)ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)も、観光地への便を中心に1日500便超を運航している。
さらに、HVN傘下のパシフィック航空(Pacific Airlines)や、地場航空会社のベトラベル・エアラインズ(Vietravel Airlines)、観光不動産開発を中核とする地場系コングロマリット(複合企業)サングループ(Sun Group)傘下のサン・フーコック・エアウェイズ(Sun PhuQuoc Airways=SPA)なども運賃の引き下げに動いている。
供給増に伴い、運賃は新型コロナ禍以降で底値といえる水準まで下落している。ホーチミン市発・南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック島行きの便などでは、税金・手数料を含まない運賃が2万8000VND(約172円)、税金・手数料込みでも総額約65万VND(約4000円)のチケットが多数販売されている。ハノイ市発・南中部地方ダナン市行きの往復運賃も、5月時点のほぼ半額に下がっている。
消費者心理への好影響と市場の回復
航空券の価格低下は消費者心理にプラスに働き、バスや鉄道から航空機へと交通手段を切り替える動きが進んでいる。建設省傘下ベトナム航空局(CAAV)の統計によると、1~6月の全国の空港利用者数は前年同期比+6%増の6370万人となった。旅行代理店の夏のツアー予約も急増している。
こうした運賃下落の背景には、航空燃料(Jet A-1)価格が1バレルあたり120~130USD(約1万9400~2万1000円)に下落したことや、7月1日施行の通達第23号/2026/TT-BXDに基づく空港サービス料の引き下げがある。
さらに、政府による航空燃料に対する環境保護税および付加価値税(VAT)の優遇措置の延長といった政策支援も企業側のコスト負担を軽減しており、こうした低運賃の維持が、7~12月の国内航空市場の力強い回復を後押しすると期待されている。






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