熱帯モンスーン気候帯に属し、雨季と乾季を有する。
地理 |
・西はカンボジアに接しており、東は南シナ海に面している。 ・ホーチミン市からプノンペンまでバスで5~6時間の距離のため、同省にある国境を通じた両国間の観光活動が極めて発達している。 ・省都はホーチミン市から南に50km。 |
歴史 |
・元々クメール王国に属した地だが、キン(ベト)族の南進・入植に伴い、18世紀よりグエン(阮)朝の支配下に置かれるようになった。 |
経済 |
・ホーチミン市の近隣にあり、立地条件が良いため、南部メコンデルタ地方で最も外資を多く誘致している地方の一つ。工業も発達している。 ・土壌が非常に良く、稲作が盛ん。サトウキビやキャッサバ、天然ゴムをはじめとした食品・工業用作物の栽培に適した自然環境を持ち、気候にも恵まれている。 ・カンボジア国境までを結ぶ道路が整備されており、カンボジア南部とタイとの陸上貿易において重要な役割を果たしている。 |
観光 |
<見所・イベント>
カンズオック郡(Huyện Cần Giuộc):
広大な稲作地を持つ。ござ、木製ボート作りなどで今も栄える伝統工芸村がある。ベトナム南部のサロン・ミュージック「ドン・カー・タイ・トゥー(Đờn ca tài tử)」の発祥地とされており、この音楽の始祖の1人と言われるグエン(阮)朝の楽官であるグエン・クアン・ダイ(Nguyễn Quang Đại)を祀るバンフオック祠(Đình Vạn Phước)がある。
ドン・カー・タイ・トゥーは19世紀末にフエの宮廷雅楽を元に作られた室内楽の一種で、結婚式や祭事などで演奏され、国内の音楽愛好家の間で親しまれてきた。ベトナム南部の歌舞劇「カイルオン(Cải lương)」はこの音楽から派生したものと言われている。ドン・カー・タイ・トゥーは主に月琴や独弦琴をはじめとする4種類の琴で演奏するが、楽曲によっては、これにギター、バイオリンなど他の弦楽器や笛などが加わることもある。演奏者は楽器を奏でながら昔話を元に作曲された唄を歌う。ベトナム南部の生活に根付いた文化であり、現在も幅広い年齢層に親しまれているドン・カー・タイ・トゥーは2013年にユネスコにより無形文化遺産に登録された。
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タインタム花村(Làng hoa kiểng Thanh Tâm):
タンアン市を流れるバムコータイ(Vàm Cỏ Tây)川沿いにある。富士山、アンコールワット、ピラミッド、フエの城郭など世界観光名所の形をした植木が展示されており、中には樹齢100歳以上の植木まである。
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カオダイ教大聖堂(Tòa thánh Cao Đài):
1919年にゴー・ミン・チェウ(Ngô Minh Chiêu)が興したベトナムの新興宗教「カオダイ(Cao Đài)教」の大聖堂。ホーチミン市から約100キロのホアタイン(Hòa Thành)郡ロンタインバック(Long Thành Bắc)村にあある。およそ厳かとは言い難いカラフルな外壁を持ち、内部にある祭壇も色とりどりのネオンで飾られている。カオダイ教の教義では、孔子、老子、釈迦、観音菩薩からキリスト、ムハンマド、更には李白、ソクラテス、トルストイ、ヴィクトル・ユーゴーなどまで聖人や使徒と仰いでいる。なお、信徒数は全国で100万人を超えるとされている。
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<特産品>
カー・ロック・ヌオン・チュイ(Cá lóc nướng trui):
釣りたてライギョを洗って鱗をそのままに味付けもせず炭火で焼いたもの。2枚に切って中にピーナッツ、油でサラッと炒めたネギを入れて仕上げる。蓮の若葉で包んで、タマリンド唐辛子の入ったヌックマム(魚醤)につけて食べる。なお、乾燥ライギョも同省のお土産として好まれている。
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ラウ・マム(Lẩu mắm):
ナス、香草、キュウリ、スターフルーツ、バナナ、オクラ、苦瓜のほか、水おじぎ草など多くの種類の野菜・果物を使った鍋料理。好みによってウナギ、イカ、エビ、タニシ、豚肉、牛肉などを入れる。発酵魚で作った出し汁につけて食べる。
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バイン・チャン・フォイ・スオン(Bánh tráng phơi sương):
霧干ししたライスペーパーで、茹でた肉とハーブを巻いて、ピリッと辛く甘酸っぱいヌックマム(魚醤)に漬けて食べる。 |
バイン・カイン・チャン・バン(Bánh canh Trảng Bàng):
豚骨で出し汁を取った米麺料理。スープの具は豚足が一般的。使用する香草の種類がフォーよりも多いのが特徴で、チャンバン(Trảng Bàng)郡の名物料理となっている。 |
ムオイ・トム(Muối tôm):
乾燥したエビを塩と唐辛子で味付けしたもの。ライスペーパーや果物と一緒に食べると美味しい。 |
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タイニン省関連ニュース |
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最終更新日:2025年7月1日
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