【第10回】ベトナムでお散歩する際に注意~火傷や傷からの感染症~

2016/04/20 08:50 JST配信

前回 のコラムでは、ベトナム・ホーチミンの道路事情や気候について、 グルーミングサロン テンテン より話がありました。それを受けて、 佐々木動物病院 より、ベトナムでお散歩する際に注意すべき点につい説明します。

火傷やケガに注意

お散歩やかけっこなどをしているときに多く見られる病気のひとつとして、火傷(やけど)や傷からの感染症があります。

まずは、そうならないように気をつけてあげることが大切なことでしょう。危ないものが落ちているような道路や、穴が空いているような道路を避けるのはもちろんですが、 マンホールなどの鉄の部分は思っているよりも高温になっているので、十分注意 してあげてください。

また、お散歩の前に、路面の温度チェックは是非ともした方が良いでしょう。アスファルトやレンガなどの路面はかなり熱くなっているため、裸足で歩くワンちゃんにとっては危険です。 路面に人の手のひらをつけて3秒以上熱く感じない状態 であれば火傷することはないでしょう。熱かった場合は、散歩の時間や場所を変えてあげましょう。ワンちゃん用の靴を履かせて散歩するのも良いと思います。

足のパッドが火傷し赤くなっている

感染症や重篤な状況にならないために

とはいえ、注意していたにもかかわらず不運にも火傷やケガを負ってしまうこともあるでしょう。そんな時は、ワンちゃんの歩き方がいつもと違っていることに気づくでしょう。無理に歩かせないでお散歩はお休みしましょう。そして、応急処置として きれいな水で冷やし、炎症の激化を防いであげたり、感染の原因となるような異物や汚いものを洗い流してあげてください。

直ぐに良くなってしまうようであれば良いのですが、いつまでも気にして舐めていたり、跛行(はこう)していたり、触ると痛がるあるようであれば、注意が必要です。火傷や傷からの感染症だけではなく、脱臼や骨折もこれらの症状の原因となっている可能性もあります。

また、皮膚に赤みが見られる、みずぶくれができている、皮膚が剥けてしまっている、皮膚が剥けて筋肉が見えている、などの症状がある場合は、重篤なケースが考えられますので、様子を見ずにすぐに動物病院に行きましょう。

火傷や傷は、放っておくと菌が入り込み、化膿したり、皮膚がべろっとむけたりしてしまいます。手や足の部分は筋肉がうすいため、皮膚のすぐ下には骨があります。この骨に感染すると、骨膜炎などの重篤な病気へと進行してしまいます。このような状況では、治癒するにも多くの時間が必要となりますし、更には、後遺症が残ってしまうケースも残念ながらあります。そうならないために早めに対処することが重要です。

動物病院では、症状によって検査し、抗菌剤や鎮痛消炎剤、時には手術などにより治療するようになるでしょう。

手や足は、敏感な部分です。ワンちゃんにとって色々な情報を得ることができる器官です。 お散歩の後はいつも、ワンちゃんの足のパットと、その間の皮膚のチェックをしましょう。 おかしいなと思うことがあれば獣医師に相談してください。

<著者紹介> 佐々木動物病院 菅野 晃弘(SUGENO AKIHIRO) 獣医師 【所属学会、資格】 日本獣医師会会員 日本獣医循環器学会会員 日本獣医皮膚科学会会員 日本獣医再生医療学会会員 すげの動物病院院長

著者紹介
佐々木動物病院・Grooming Salon Ten Ten
ホーチミン市7区にある佐々木動物病院の獣医師とグルーミングサロンTen Tenスタッフが共同で執筆するコラム。rn同じ建物内に、1階は「佐々木動物病院」、2階は「グルーミングサロンTen Ten」があり、ペットの総合サービスを受けられる。rn本コラムでは、ベトナムでのペット事情についてご案内していく。
ペット@ベトナム
その他の記事はこちら>
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

新着ニュース一覧

 ホーチミン市アンドン街区(旧5区)文化スポーツセンター(105 Tran Hung Dao, phuong An Dong, TP. Ho Ch...
 ハノイ市人民委員会は、同市人民評議会に対し、低排出ゾーンの設置について定める決議案を提出した。 ...
 日本の気象庁が発表したデータによると、ベトナム現地時間25日19時にフィリピンのスル海で台風15号(ア...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ホーチミン市のめまぐるしく変わりゆく街並みの中で、バンコー市場(cho Ban Co)は、記憶の断片のように...
 レ・タイン・ロン副首相はこのほど、ハノイ工業大学(HaUI、ハノイ市)を「構成大学と学部を傘下に置く大...
 ホーチミン市ビンタイ街区(旧6区の一部)人民委員会は、「チョロン・ナイトストリート」を12月1日から試...
 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は23日、米
 ホーチミン市人民委員会は、2026~2030年の狂犬病対策プログラムを承認した。プログラムでは、2030年ま...
 日本貿易振興機構(ジェトロ)ホーチミン事務所は、12月12日(金)のベトナム時間14時00分から15時30分まで...
 米グーグル(Google)とシンガポールのテマセク(Temasek)、米コンサルティング会社ベイン・アンド・カン...
 「アニオー姫」実行委員会(ブレイングループ、ヤマハミュージックベトナム、NPO国際交流促進協議会)は...
 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)は、エジプト政府機
 教育訓練省はこのほど、普通教育における人工知能(AI)教育の試験導入に関する指針案と計画を公表した。...
 大手菓子メーカーの株式会社ブルボン(新潟県柏崎市)は12日、カカオ豆の安定調達と現地産業の発展を目的...
 ハノイ市の文廟・國子監文化科学センターはこのほど、科挙文化がデジタル体験できるアプリ「ベトナム妙...
トップページに戻る