ベトナムの経済は不動産屋や輸出入業などを中心に現在厳しい状況にありますが、一方で他の国々と同様、物価上昇がベトナム人の生活を圧迫しています。統計局の発表する小売市場のデータでは着実なペースで市場は成長していますが、一方で市場の拡大の一部は物価上昇によって起こっています。当社が今年6月に実施した調査によると、74%の人が前年比で物価の上昇を認識しており、そのうち27%が物価が急激に上昇したと感じています。
ベトナム消費者が物価上昇を感じる上位3つのカテゴリーは、食品・飲料、ガソリン、公共料金になります。属性別では20代は特に外食の価格上昇を感じており、一方で家事に多くの時間を費やす30代は食品・飲料と公共料金の値上がりを実感しているようです。
こういった物価上昇の中、ベトナム消費者はどういったカテゴリーで節約を行っているのでしょうか?最も節約を意識するカテゴリーは外食、食品・飲料、公共料金になります。特に外食と娯楽については、普段の消費金額に対して節約率が高いカテゴリーになります。
それでは、物価高の中、ベトナム消費者の購買はどのように変化しているのでしょうか?最も一般的な方法としては「プロモーション品を購入する」、「不必要な物を買わない」、「外食や外飲みを控える」の3つが挙げられます。
地域別にこのデータを見ると、ホーチミン市とハノイの住民の行動は異なります。ホーチミン市の人々はより手頃な代替品を探す傾向があります。例えば、よりプロモーション率の高い商品を購入したり、価格の低い商品を購入したりする傾向が強いようです。一方、ハノイの人々はコスト削減を目指し、外食の頻度を減らしたり、外出を控えたりと出費の機会を減らすように努めます。こういった地域別の行動変化はベトナム人の行動を理解する上で非常に興味深い点だと感じます。