タイSCGのロンソン石油化学コンプレックス、5月に再び稼働停止

2026/04/28 06:02 JST配信

 タイのサイアムセメントグループ(Siam Cement Group=SCG)は、中東情勢による長期的な影響を受け、ホーチミン市ロンソン村(xa Long Son、旧バリア・ブンタウ省)のロンソン石油化学コンプレックス(LSP)およびタイのラヨーン・オレフィンズ(Rayong Olefins=ROC)のオレフィン工場の稼働を一時停止すると発表した。LSPは5月中旬から停止される。

(C) Kien Thuc Dau Tu
(C) Kien Thuc Dau Tu

調達コストの高騰が経営を圧迫

 SCGによると、中東の紛争が長期化する中、ホルムズ海峡を迂回するルートで代替原料の調達を試みたが、コストが大幅に上昇し、安定的な生産活動が困難になったという。LSPの稼働停止期間中は、維持費用として毎月約2億5000万THB(約2030億VND=約12億3000万円)の追加費用が発生すると推定されている。

エタン原料への転換プロジェクトを加速

 稼働停止期間中、LSPは保守作業を行うとともに、エタンを原料として使用するプロジェクトの準備を前倒しで進める。同社はすでに米国から年間約100万tのエタンを輸入する15年間の長期契約を締結しており、今後は原料コストの安定化と温室効果ガス排出量の削減を通じて長期的な競争力を高める狙いがある。

投資総額50億USDの大規模コンプレックス

 LSPは投資総額50億USD(約8000億円)の大規模プロジェクトで、上流のオレフィン工場と、下流のポリオレフィン工場3か所、専用港湾システムで構成される。フル稼働時の生産能力は年間140万tで、ポリエチレン(HDPE、LLDPE)やポリプロピレン(PP)などの樹脂を生産し、年間約15億USD(約2400億円)の売上高を見込んでいる。

 同コンプレックスは2018年に着工し、2024年9月に商業運転を開始したが、コスト高騰によりわずか1か月後に稼働を一時停止した。その後、原油安を背景に2025年8月に再稼働を果たしたばかりだった。

 現在進行中のエタン原料を追加する5億USD(約800億円)規模の改修プロジェクトは2027年の完成を予定しており、運営コストを▲30%以上削減することが期待されている。

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