ベトナム映画「走れロム(原題:Rom)」の日本公開日が、当初予定の6月11日(金)から7月9日(金)に変更となった。これは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う対応。また、12日に予告編が解禁された。
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「走れロム」は、チャン・タン・フイ監督の長編デビュー作にして、第24回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門最優秀作品賞を受賞するなど、多くの映画祭で高い評価を受けた。
ハイリスク・ハイリターンの違法くじの予想を立て、賭け屋との橋渡し「走り屋」を生業としている孤児の少年、ロム。予告編では、同じ境遇に立つ同業者のライバルであるフックと激しく競い合いながら、ホーチミン市の狭い路地や大通りを縦横無尽に駆け巡る姿が疾走感あふれる映像で活写されている。ベトナムでは庶民の生活の一部になっている「闇くじ」に翻弄される人々の様子も悲哀をにじませリアルに映し出している。
社会主義国家のベトナムで顕在化させたくない「闇くじ」を描いたことで、当局の検閲が入り、修正を余儀なくされた「走れロム」。2020年3月にベトナム国内での上映が許可されたが、新型コロナの影響で公開が延期され、同年9月にようやく公開に至った。苦境を乗り越え迎えたベトナムでの公開は、ロングランヒット中だったクリストファー・ノーラン監督の超大作「TENET テネット」を興行成績で上回り、驚くべきヒットを記録した。
過酷な環境下、必死に生き抜く主人公ロムを監督の実弟でもあるチャン・アン・コアがエネルギッシュに体現。「青いパパイヤの香り」や「ノルウェイの森」で知られる名匠トラン・アン・ユンがプロデューサーとして参加し、編集はアピチャッポン・ウィーラセタクン監督作品を手がけるタイの名編集者リー・チャータメーティクン、音楽は河瀬直美監督「朝が来る」など国際的に活躍するトン・タット・アンが担当する。
前売鑑賞券は5月14日(金)発売。特典は作品にちなんで「本物のくじ」となっている。劇場窓口で前売り券1枚につき、宝くじ(第2504回東京都宝くじ)1枚が付いてくる(数量限定)。宝くじ付き(&オリジナルポストカード)で税込み1500円となる。
「走れロム」は7月9日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。
詳細は公式サイトを参照。
【ストーリー】
活気に満ちたサイゴンの路地裏にある古い集合住宅。住民たちは投資家を装う詐欺師の債権者から多額の借金を背負い、アパートを維持するため大金が当たる「闇くじ」に熱中している。14歳の孤児ロムは、そこで宝くじの当せん番号を予想し「賭け屋」に繋ぐ「走り屋」として生計を立てていた。地上げ屋から立ち退きを迫られている裏町の住民たちを救うため、生き別れになった両親を捜すため、ロムはライバルの走り屋フックと競り合いながら、巨額の当せん金が手に入る危険な違法くじで一攫千金の賭けに出る――!
【予告編】
【ポスター】
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