ラオスの首都ビエンチャンで10日、第27回日・ASEAN首脳会議が開催され、ベトナムのファム・ミン・チン首相や石破茂内閣総理大臣など各国首脳が出席した。

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　石破首相はこの席で、ASEANと日本の包括的・戦略的パートナーシップの重要性を強調。双方間の協力を促進し、団結したASEAN構築を支援することで関係強化に努めるとともに、発展格差縮小における日本のコミットメントを確認した。

　一方のチン首相は、ASEANと日本の経済的つながりを促進し、経済・貿易・投資分野の協力を引き続き主軸とする必要性を主張。首相はまた、日本企業が対ASEAN投資を増やし、ASEAN企業のサプライチェーン参入支援を強化して、裾野産業の発展や高度スキル人材の育成を支援するよう要請。

　チン首相はこの他、デジタル変革、半導体、クラウド・コンピューティング、モノのインターネット、エネルギー変換、グリーン経済、循環経済、スマート農業など、新たな成長原動力となる分野への投資促進を提案した。

　さらにチン首相は、気候変動の対応やエネルギー転換の促進、排出削減公約の実施においてASEANへの協力と支援を継続するよう日本に求めた。

　安全保障協力について、チン首相は、双方が地域の平和・安全・安定のための戦略的連携を強化する必要があるとの見解を示した。南シナ海問題については、紛争を平和的手段で解決し、国際法、特に1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)に従って効果的かつ実質的な南シナ海行動規範(COC)の策定を完成させることを目指すというASEANの共通の立場を、日本が引き続き支持するよう働きかけた。

　なお、日本はASEANにとって第4位の貿易相手国であり、対ASEANのFDI投資国では第5位となっている。2023年の双方向貿易額は2394億USD(約35兆7000億円)だった。