- ベトナム・パキスタン特恵貿易協定交渉
- 15日から交渉開始、年内の署名目指す
- 各種分野で企業間連携や投資促進を強化
パキスタンの首都イスラマバードで14日、グエン・ホン・ジエン商工相とパキスタンのジャム・カマル・カーン商業相が会談を行い、「ベトナム・パキスタン特恵貿易協定(VPPTA)」交渉開始に関する共同声明に署名した。
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双方は、15日から交渉を開始し、年内の署名を目指すことで一致した。同協定は、両国の製品に対する関税・通関優遇措置の枠組みを整える重要な法的基盤となる。
双方は、繊維、ハラール産業、農水産加工品、消費財、建設資材、エネルギー、鉱産、物流などの分野で企業間連携や投資促進を強化する方針を確認した。また、航空便や物流の接続、非関税障壁や検疫・技術基準などの貿易上の障害を共同で解消することでも一致した。
今回の特恵貿易協定の交渉開始は、両国にとって戦略的意義を持つ一歩となる。特に、パキスタンの綿花・繊維産業とベトナムの縫製業をはじめ、農水産品、ハラール食品、木製品、建設資材、医薬品などの分野で相互補完的な協力拡大が期待される。
同協定が実現すれば、安定した法的環境を整備し、将来的な自由貿易協定(FTA)締結への基盤を築くことにもつながるとみられる。
なお、両国間の貿易は潜在力に比べると依然として小規模で、2024年の貿易額は8億5000万USD(約1280億円)にとどまった。