- 25年7~9月のBCI、66.5ポイント
- 米国による相互関税導入前の水準上回る
- ベトナム株式市場格上げも信頼感押し上げ
在ベトナムヨーロッパ商工会議所(ユーロチャム)がベトナムに進出している欧州企業を対象に実施した2025年第3四半期(7~9月)業況判断指数(BCI)の調査結果によると、同期のBCIは66.5ポイントに上昇し、直近3年間で最高水準となった。ベトナムに進出する欧州企業の間で、事業環境への楽観的な見方が広がっている。
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同指数は、米国による相互関税の導入前の水準を上回り、ベトナム経済への信頼回復が鮮明になっている。調査によると、ビザや労働許可制度の改善、グリーン投資の推進、行政手続きのデジタル化など、構造的な改革が進み、事業環境の整備が進展しているという。
国際的な不確実性が続く中でも、サプライチェーンの国外移転を検討している企業は全体の3%にとどまった。一方で、3%の企業がベトナム国内での事業拡大や再編を計画している。ユーロチャムは「ベトナムは依然として信頼できる生産・投資拠点だ」と指摘した。
調査では、80%の企業が今後5年間の見通しに楽観的と回答し、76%がベトナムを投資先として推奨すると答えた。また、英インデックス開発大手FTSEラッセル(FTSE Russell)によるベトナム株式市場の格上げも、海外投資家の信頼感を押し上げたとみられる。
経済の見通しでは、42%の企業がベトナムの2025年国内総生産(GDP)成長率を+8.3~8.5%と予想している。さらに、68%の企業が次の四半期には景気が安定または改善すると回答し、この割合は前期比で+18%pt上昇した。
ユーロチャムはベトナム政府に対し、行政改革やグリーン転換の一層の推進を要請している。また、欧州企業の投資拡大を後押しし、長期的な競争力の強化につなげるよう提言している。