- 25年4~6月のBCI、61.1ポイント
- 企業の78%がビジネス環境の改善予測
- EVFTAの活用進む
在ベトナムヨーロッパ商工会議所(ユーロチャム)がベトナムに進出している欧州企業を対象に実施した2025年第2四半期(4~6月)業況判断指数(BCI)の調査結果によると、同期のBCIは61.1ポイントとなり、前期からわずかに低下したものの、ベトナム経済に対する欧州企業の長期的な信頼は依然として根強いことが明らかになった。
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調査に参加した企業の72%がベトナムを投資先に推奨する意向を示し、78%が今後5年間でビジネス環境が改善すると予測している。この改善予測は前期比で+7%ptの上昇となった。
世界的な貿易摩擦や地政学的リスクが続く中でも、欧州企業はベトナムの供給網の回復力と柔軟性を評価している。実際、企業の70%は財務的な影響を受けておらず、15%が損失を報告し、5%が利益の増加を達成した。
ユーロチャムはまた、原産地証明書(C/O)の重要性を強調し、関税の優遇措置の適用に加え、国際的な取引先との信頼関係の構築にも寄与していると指摘した。ベトナム政府が進めるC/O手続きの電子化や電子身分証明アプリ「VNeID」の導入についても、行政手続きの簡素化や貿易の透明性向上に貢献するとして評価している。
EU・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)は発効から5年を迎え、企業における活用が着実に進んでいる。企業の66%がEU・ベトナム間の貿易や物流・流通分野に携わり、98.2%がEVFTAの存在を認知しているほか、約半数が中程度から高いレベルの恩恵を受けていると回答した。
関税の優遇を主な利益と捉える企業の割合は、2024年第2四半期の29%から今期には61%に上昇した。これは、段階的な関税撤廃スケジュールや、協定の利活用が進んでいることを反映している。一方で、税関評価の不透明さや法制度の曖昧さ、地方政府とのコミュニケーションのギャップなどが依然として障壁となっている。
ユーロチャムは、手続きのさらなる簡素化、デジタル技術の活用、原産地自己証明制度の導入、技術的障壁の撤廃など、制度改革の加速を提言した。ベトナムが今後も欧州からの高品質な海外直接投資(FDI)を持続的に呼び込むには、企業の声に迅速かつ実効的に応える改革の継続が不可欠だとしている。